杜氏・・・・
それは、酒造りの総責任者・・・・・と現代ではそういう言葉が当てはまるのだろうか・・どうしても違和感を感じてしまう。蔵元には、もちろん「社長」・「専務」など各役職があって、会社として成り立っているわけだが、この杜氏とは、もちろん酒造りの総責任者ではあるけれども、当時のさじ加減ひとつで、この蔵元を潰してしまうこともありえる・・・・社長よりもすごい存在だと私は認識している。
通常、杜氏とその蔵人たちは、酒造り・仕込みのころ(おおよそ秋口)に、蔵元にやってきて、酒造りに勤しむ。そして酒造りが終わる春には、また故郷へ帰っていく・・・そして故郷での別の仕事が待っている・・・・といったつくりだけの契約をしている蔵がほとんどだろうと思われる。たまたまよく私が顔をのぞかせてもらっている蔵元での杜氏は、年間契約だそうで、年中蔵元にみえる。酒造りをしていないときは、蔵元の従業員と同じ作業をされているのだそうだ。
その杜氏とお話をさせていただく機会があり、素朴な疑問から、こだわりなどなど、2時間ほどお時間を頂き、お話させていただいた。会う前は、どんな厳しい方なのか、不安でいっぱいだったが、その会話から、いわゆる普通のおっちゃん・・・自分の父親と歳が近いということもあって、特にそう思ったのかもしれないが、酒造りのお話に関しては、常に目が鋭いものを持っていた。目がきらりと光るのだ。とたんにオーラを放つのだ。圧倒される思いを何度となく感じた。言葉ではなく、杜氏そのものが酒に対するこだわりそのものなのだと私は受け止めた。なかなか当時がいわゆる消費者に、その姿を見ることはなかなか機会がないが、テレビてたまに蔵元内部での、つくりの紹介がされていることがあると思うが、じっくりとみて欲しいと思う。とても厳しいのだ。1分1秒を争う厳しい世界に身を置く杜氏。そんな姿を一度でも見れば、酒というものを粗末にすることはとてもじゃないができない、私はいつもそう感じながら、杜氏との話を思い出す。私がこんなことを言うのもおこがましいかもしれないが、杜氏とは酒造りのプロ。プロの中のプロ。日本語ではそういう人を職人と言う言葉が当てはまるのだろうか。私はこうしたこだわりの酒を売らせていただけることに対して、新たに気を引き締めている思いだ。 |